4月30日、日経平均は反発し、1ヶ月半ぶりに2万円台を回復しました。
今回の株価上昇の最大の要因として挙げられるのは、米国製薬会社が開発している新型コロナウィルス治療薬の臨床試験で、良好な結果が確認されたとの発表があった事です。
この抗ウイルス薬『レムデシビル』は、元々過去にアフリカで猛威を振るったエボラ出血熱の治療の為に開発されていたものだそうです。
そしてこの発表を受けてNYダウは反発し、米国株高を好感して日経平均も大幅に上昇したと見られています。
コロナウィルスに対して特効薬が開発され、各地での経済活動の再開が期待されています。
これで完全に市場の潮目が変わり、上昇トレンドに転じたとの見方を示す識者の方も見受けられましたが、悲観投資家の僕の見方はもう少し悲観的です。
特効薬『レムデシビル』
新型コロナウィルスに対して有効な対策が確立された時、株価は上昇に転じる、と僕は考えていました。

現時点では抗ウイルス薬『レムデシビル』がその有効な対策となると考えられます。
この『レムデシビル』を使用するためには、医薬品としての承認が必要です。
厚生労働省は『特例承認』の制度を適用し、手続きを大幅に短縮し早期の承認を目指す方針だそうですが、その条件として海外で販売が認められていることなどがあるそうです。
『レムデシビル』の承認作業はドイツやアメリカが先行しているそうで、その結果を待って日本でも承認される見込みで、5月中に承認する方向とのことです。
特効薬への懸念
先に述べた承認の時期は、あくまでも見込みであって、決定されたものではありません。
日本国内の承認には海外での承認が先に必要で、そちらの作業が遅れた場合には更にずれ込む事が予想されています。
そして気になるのは、中国での『レムデシビル』の臨床試験では効果が見られなかった、との報道がある事です。
新型コロナウィルスに特効薬が開発された、との判断は慎重に行う必要があると思われます。
各国で臨床試験は現在も進行中で、関連の報道には注意を払った方が良さそうです。
国内の経済状況
さて、特効薬の開発を受けて米国株式市場は活況のようですが、日本国内はどうでしょうか。
日経平均自体は米国株高の流れを受けて大幅に上昇していますが、国内のコロナウィルス感染拡大は多少ペースは落としているものの、収まった訳ではありません。
5月6日までとされていた緊急事態宣言も、1ヶ月ほど延長する方針を安部首相が示しました。
各企業の決算も発表されていますが、織り込み済みとは言えやはり良い数字ではなく、特にソフトバンクグループの最終赤字9000億円の発表は象徴的だと思います。
これはウィーワーク問題など、コロナウィルス感染拡大が直接の原因ではないですが、その影響で赤字額を拡大したという背景があるのは間違いなさそうです。
日経平均2万円台回復の一方、実際の経済の状況はなかなかに大変な事態になっている訳で、株価との乖離は更に進行しているのではないでしょうか。
現在の資産の状況


評価損益 -20,472円 (-10.77%)
日経平均終値 20,193.69円 +422.50円 +2.14%
日経平均上昇を受けてニワトリも成長していますが、上昇幅はそれ程でもありません。
しかしこれはむしろ狙い通りで、値動きの幅は日経平均よりも小さい方が良いと思っています。
リスク低減の方を重視している為で、負け惜しみではありません。
…負け惜しみ、ではありません。
現在の銘柄数・・・50銘柄
すくすく育て、堅実に…!
こけっ。
株式市場の動きに見られるように、特効薬開発を受けて、楽観的な空気が広がって行く事が考えられます。
経済活動再開のための、格好の口実が得られたと見ることも出来ますが、先に述べたようにこの特効薬にはまだ不透明な状況があります。
これから大型連休という時期ですが、感染しても薬があるから、などと考えず軽率な行動を取らないように注意したいと思います。
とは言え、外出自粛はまだまだ続きますし、その閉塞感もどうにかしたいと思うのも自然なことです。
抗ウイルス薬『レムデシビル』、そして国内で臨床試験が進められている抗インフルエンザ薬『アビガン』等が、まさに特効薬となることを願っています。